オガミノさんの食卓【第8回】いろは窯のうつわ編

オガミノさんの食卓【第8回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを
日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

今回は、「いろは窯のうつわ」編です。

いろは窯は、三重県の多気町で、服部日出夫さんが営む窯です。
服部さんのうつわは、柔らかくて深みのある青色が特徴。
素朴で優しい雰囲気があります。

器には色々な色がありますが、青色はどちらかといえば少数派です。
青色のうつわは食卓でどのように活躍してくれるでしょうか?
オガミノさんにお願いして、いろは窯のうつわを中心に食卓を設えていただきました。

今回のメニューは、
・タンドリーチキン
・オニオンアチャール(玉ねぎの漬物)
・かぼちゃカレー
・カリフラワーのサブジ(オイル蒸し煮)
・じゃがいものクミン炒め
・ほうれん草のサブジ(炒め煮)
・ターメリックライス
です。
今まで連載で取り上げてきたインド料理は、ややマイナーなものが多かったかもしれません。
今回は、北インドの一般家庭でごく日常的に食べられているものを紹介していただきました。
インド料理屋さんでおなじみのメニューだったり、
料理名を聞けばなんとなく想像がつくものもあるのではないかと思います。
レシピも載せていただきましたので、よければ作ってみてください!
では、今回の料理を紹介していただきましょう。
タンドリーチキン、オニオンアチャール
インド料理屋さんでもおなじみのメニュー。
現地仕様で紅く色を付けて焼いてみました。
酸味と辛味の効いた玉ねぎのアチャール(お漬物)を添えるのが定番です。
カリフラワーのサブジ(オイル蒸し煮)
.
北インドの定番中の定番のおかず。
カリフラワーをじっくりと時間をかけて無水で蒸し煮にしていきます。
見た目は地味ですが、旬の味の乗った瑞々しいカリフラワーで作ると、スパイスが中まで染み込んだ美味しいジュースが口の中に溢れ、思わず笑みがこぼれてしまう一品。
ほうれん草のサブジ(炒め煮)
うつわ:やちむん
.
ほうれん草と少しのトマトをニンニクたっぷりのオイルでくたくたになるまで炒め煮にした素朴なおかず。
このサブジも旬のほうれん草で作るとシンプルながらとても美味しく、1束があっという間になくなる冬の定番メニューです。
かぼちゃカレー
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材料はかぼちゃとトマトのみのシンプルなカレー。
スパイスの染み込んだかぼちゃがしみじみ美味しいです。
じゃがいものクミン炒め
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クミンシードの香りをうつしたオイルでじゃがいもを炒めた簡単おかず。
ホクホクのじゃがいもに、炒めたクミンの香ばしさが美味しい一品です。
インド料理以外でもお肉料理等の付け合わせに、ビールのお供に、また冷めても美味しいのでお弁当にも重宝します。
ターメリックライス
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ターメリックを入れて炊いたご飯。
研いだお米に、2合につきターメリックと塩を小さじ1/4くらい、(今回、目分量で入れたら少し多すぎました…)サラダ油を少々入れ、普通に水加減していつも通り炊くだけ。
ルーのカレーの時にもぜひお試しください。
マイソールパク
.
南インドのカルナータカ州のマイソールの伝統菓子。
砂糖とギー(インドの澄ましバター)とベーサンというひよこ豆の粉を加熱して練って固めたスイーツです。
口の中に入れるとギーの香りが広がり、落雁のようにサラリと溶けていく滑らかなくちどけが特徴、なのですが、目下練習中。
冒頭に述べた通り、いろは窯のうつわは何と言っても青が特徴ですが、
この青色が、今回のような暖色系の料理をとてもよく引き立てているのがわかります。

色調がやや強めの料理も、うつわの青色と見事に調和しているのではないでしょうか。

オガミノさんにうつわを使った感想をいただきました。
いろは窯・灰釉8寸縁折返皿(タンドリーチキン、オニオンアチャール)
ちょっとくすんだ温かみのある乳白色の地に柔らかな色合いの呉須の縁取り。
ビビッドに色づけたチキン、合うかしらと思ったのですが、
すんなりと受け止めてくれました。
少し深さがあるのでワンプレートでカレー皿にしたり、パスタ皿として使ったり、
いろいろな用途に使えると思います。
いろは窯 6寸縁折返皿(カリフラワーのサブジ)
タンドリーチキンのお皿の一回り小さいサイズです。
縁の呉須の色がより鮮やかで、はっきりとした印象です。
黄色く染まったカリフラワーと呉須の明るいブルーのコントラストがきれいな一皿になりました。
今回のようにちょっとしたおかずを盛るほかに、
ケーキ皿として、また銘々の取り皿として使ってもよいと思います。
いろは窯 汁碗(じゃがいものクミン炒め)
ころんとした形がとてもかわいらしく、上下の色調のグラデーションがとてもきれいな呉須の汁碗。
この日はちいさなおかずを盛ってみました。
お碗の内側は白い釉薬がかかっているので、食卓でも明るく映えます。
本来の用途である汁碗としても、
手によくなじむ持ちやすい形で、汁を入れても重すぎることもなく、
また口に当てた時の厚みも自然で、心地よく使うことができます。
いろは窯・スープ碗(ターメリックライス)
鉄唐草が描かれたスープ碗。
のびやかで闊達でありながら品のある絵付けが一目見て気に入りました。
鉄釉の深い緑を帯びたようなダークブラウンの色もとても綺麗です。
浅めで大きさもあるので、スープ碗以外にも、カレーの取り皿としてぴったり。
ちょっとした煮物やおかずを盛るなど、使い勝手がとても良いうつわです。
いろは窯・4寸小皿 内外呉須(マイソールパク)
落ち着いた深みのある呉須で、4寸という小さなサイズでありながら存在感があります。
小菓子をのせたり、お浸しなどの小さなおかずを盛り付けたり。
藍にも近い深い色合いで、食卓にこの一皿があるだけでテーブルが引き締まります。

持ちやすく、骨格のあるしっかりとした形は、熟練の陶工・服部さんならではの仕事です。
こうした形の良さも、使い勝手の良さにつながっているのだと思います。

他にも、いろは窯のうつわで色々と料理を用意してくれました。

8寸縁折返皿に、香菜とアーモンドのパスタ。

同じく8寸縁折返皿に、カマスのアクアパッツァ。

スープ碗に、キャベツとベーコンのスープ。

どれも美味しそうです・・・

冒頭でご紹介したインド料理の暖色系に限らず、どの食材も色鮮やかに引き立てているのがわかります。
ふだんの食卓も、より美味しく彩ってくれそうです。

今回は盛りだくさんの内容になりました。
オガミノさん、今回もご馳走様でした!

今回ご紹介したうつわは、こちらからオンラインショップページをご覧いただけます。
いろは窯のうつわは、ここでご紹介したもの以外も色々ありますので、あわせてご覧ください。

【オガミノさんのレシピ】じゃがいものクミン炒め
<材料>
 じゃがいも・・・2個(300g程度)
 ターメリック(あれば)・・・小さじ1/2
 サラダ油・・・大さじ1
 クミンシード・・・小さじ1
 塩・・・小さじ1/2
 ガラムマサラ(なければブラックペッパー)・・・小さじ1/3
 レッドペッパー(一味唐辛子でも可)・・・ひとつまみ
※塩、ガラムマサラ、レッドペッパーは合わせて混ぜておく
<作り方>
(1)ジャガイモは1.5㎝角に切って、ターメリックを入れた湯で茹でておく。
(2)鍋にサラダ油を温め、クミンシードを2、3粒落としてみて、
シュワシュワ泡だったら残りを入れ、パチパチとはじけて香りが立ち、
茶色く色づいてきたらジャガイモを入れてクミンシードと絡めるようにさっと炒める。
(3)塩、ガラムマサラ、レッドペッパーを振り入れ、ジャガイモにまんべんなくなじませる。
.
※ターメリックでジャガイモを茹でると、きれいな黄色になり、
 またターメリックの防腐殺菌作用により保存性が上がります。
 お弁当に入れる場合などはおすすめです。

 

 

オガミノさんの食卓【第7回】クリスマスの食卓編

オガミノさんの食卓【第7回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを
日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

さて、今年も早いもので年末です。
ということで、今回は「クリスマスの食卓」編をお届けします。

家族団らんのクリスマスのテーブルが眼に浮かぶようです。

今回のメニューは、
・丸鶏の土鍋ポットロースト
・ルッコラとトマトとモッツァレラのサラダ
・オレンジとフェンネルのサラダ
・じゃがいもだけのグラタン(ドフィノワ)
・かぼちゃのポタージュ
・マッシュルームのアヒージョ
・ワイン
です。

早速、それぞれの料理を紹介していただきましょう。

丸鶏の土鍋ポットロースト
うつわ:やまほん陶房 9寸土鍋

手しごとさんでお話しをしていて、土鍋でオーブン調理が出来ると知ったのは実はつい最近のこと。お肉がとてもしっとり仕上がると伺い、これは絶対試したい!と思い、季節柄丸鶏を焼いてみました。
一晩マリネした鶏を土鍋に入れ、蓋をしてじっくり焼くこと1時間半、びっくりするほどしっとり柔らか。もも肉はもちろん、パサパサしがちな胸肉のジューシーさに感動してしまいました。この土鍋調理に関しては胸肉の方が断然美味しいです。蓋をして土鍋の遠赤外線効果でじっくりゆっくり芯から火を入れるこの土鍋ポットローストは、ご家庭でもお肉を失敗なく美味しく火入れできるとても良い方法だと思います。今回は丸鶏を使いましたが、もも肉や胸肉のみでもお作り頂けますので、手軽にお試し頂ければと思います。

ルッコラとトマトとモッツァレラのサラダ
うつわ:森山窯 角鉢

ルッコラ、トマト、モッツァレラチーズをオリーブオイル、塩、胡椒、レモン汁で和えたシンプルなサラダを森山窯の瑠璃釉の角皿に盛り付けました。

オレンジとフェンネルのサラダ
うつわ:森山窯 6.5寸スープ鉢
.
カットしたオレンジとフェンネルの葉、ワインビネガー、生姜の千切り、塩、カルダモンパウダー、オリーブオイルを和えたフルーツサラダ。オレンジの酸味と甘みが、さっぱりとした箸休めになります。
じゃがいものシンプルなグラタン
うつわ:湯町窯 角皿
.
具材はじゃがいもと、牛乳とチーズのみ、の超シンプルなグラタン。フランス南東部のドフィノワという素朴な郷土料理で、ベシャメルソースも玉ねぎ炒めも不要。じゃがいものでんぷんでソースにとろみをつける仕立て。

湯町窯のグラタン皿やエッグベーカーは耐熱性があるので、調理してそのまま食卓に出すことができます。湯町の温かみのあるマスタード色と飴色の釉薬が、冬の食卓に彩りを添えてくれます。

マッシュルームのアヒージョ
うつわ:湯町窯 エッグベーカー
.
マッシュルーム、にんにく、せん切りにしたドライトマト、ハーブ、たっぷりのオリーブオイルをエッグベーカーに入れ、ぐつぐつとオイルが煮立ってマッシュルームに火が通れば出来上がり。
湯町窯の看板アイテムともいえるエッグベーカー、こちらは直火調理が可能です。大きい方のサイズのエッグベーカーでアヒージョを作ってみました。土ものなので保温性が良いのも嬉しいです。
土鍋がオーブン調理に使えるという話は、実は伊賀焼・やまほん陶房の山本さんから伺った話です。
やってみたら本当に美味しかったので、オガミノさんにその話をしたところ、
早速試してくださいました。

伊賀焼の土鍋や湯町窯のグラタン皿などは、
耐熱性があり、オーブン調理などが可能です。
陶器は熱がゆっくりと伝わる上、遠赤外線が出る効果があり、
食材のおいしさがより引き出されます。

土鍋といえば、鍋料理やご飯を炊いたりといった使い方だけかと思いきや、
オーブン料理も、手軽に美味しく出来上がるんです。ぜひお試しください。

うつわを使った感想もいただきました。

森山窯・角鉢(ルッコラとトマトとモッツァレラのサラダ)
シンプルなサラダを森山窯の瑠璃釉の角皿に盛り付けました。
深さと大きさもあるのでサラダや汁気のあるお料理にもぴったり。
落ち着いた深い瑠璃釉のうつわが、食卓をキリッと引き締めてくれます。
森山窯 6.5寸糠釉スープ鉢(オレンジとフェンネルのサラダ)
この表情豊かな糠釉のスープ皿は見た瞬間一目惚れでした。
どんな色のお料理を盛り付けても必ず受け止めてくれる安心感がありますが、
今回はオレンジと緑にしてみました。
いろんな色を盛り付けるたびに、うつわとのコントラストを楽しめる一皿。
大きめのサイズなので、今回のようにサラダや、ポトフなどの具だくさんの煮込み、
またカレー皿としてなど、様々な用途でお使い頂けると思います。
湯町窯 角皿(じゃがいものシンプルなグラタン)

湯町窯のグラタン皿やエッグベーカーは耐熱性があるので、調理してそのまま食卓に出すことができます。
湯町の温かみのあるマスタード色と飴色の釉薬が、冬の食卓に彩りを添えてくれます。

今回は、森山窯や湯町窯の器を中心に、クリスマスらしい食卓を用意していただきました。
落ち着いた深みのある色彩が魅力の森山窯のうつわ、
温かみのある柔らかな黄色の湯町窯のうつわ、
どちらもこの季節によく似合ううつわだと思います。

華やかな中にも、素朴な温かみが感じられるのは、
手仕事のうつわが彩りを添えているからでしょう。
これから、クリスマスや新年など、友人や家族が集まる機会が多い季節。
ぜひ手仕事のうつわを活用いただけたらと思います。

オガミノさん、今回もごちそうさまでした。

【オガミノさんのレシピ】丸鶏の土鍋ポットロースト

<作り方>

(1)丸鶏(今回のサイズは1kg、内臓などの中身を抜いたもの)は鶏の重さの1%の塩、オリーブオイル大さじ2、にんにく2かけすりおろし、ガラムマサラ小さじ2を塗り込んで、あればハーブ(ローズマリーやオレガノなど)とともに一晩マリネします。

(2)フライパンに油を熱し、室温に戻した鶏肉を入れ、全体的に焼き色をつけます。

(3)土鍋に焼き色をつけた丸鶏を入れ、好みでオリーブオイルと塩でマリネした根菜類(今回は人参、玉ねぎ、さつまいも、れんこん、ごぼう、ズッキーニ)を周りに並べ、土鍋の蓋をして200℃に予熱したオーブンで1時間半、じっくり火を通します。

時間はかかりますが、蓋を取らずにじっくり加熱するのがポイント。
年末年始のパーティーの際などに、ぜひお試しください!

オガミノさんの食卓【第6回】ガラスのうつわ編2

オガミノさんの食卓【第6回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを
日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

前回に続いて、今回もガラスのうつわの食卓です。
季節は梅雨。
毎日ジメジメ、ムシムシで、なんとなく食欲も減退気味な人もいらっしゃるのではないでしょうか。
こんな季節に、気分をすっきりとさせてくれそうな爽やかな食卓を用意して頂きました。

今回は、前回と違って見慣れた印象で少しホッとしました笑
さっそくメニューを紹介していただきましょう。

傣族(タイ族)のレモン鶏
雲南省のシーサンパンナ(西双版納)はミャンマー、ラオスと国境を接し、タイともメコン川の水運で繋がれた土地。古くからタイ族という少数民族が住み、食文化もハーブを多用するなど隣国の影響を色濃く受けています。
このレモン鶏は、茹でた鶏をスパイスを入れたレモン塩水に浸けて味を染み込ませ、仕上げにフェンネルやミント、香菜などのハーブをかけたシーサンパンナ名物の冷菜。レモンの酸味にたっぷりのハーブが爽やかで、暑い夏にぴったりの一品。
きゅうりとキクラゲの和え物
(うつわ:西川孝次 縁折り返し鉢)
きゅうり、キクラゲ、生姜、大葉、白ごまを和えて、木姜油という柑橘系の香りのするオイルで味をつけています。
フェンネル入りオムレツ
(うつわ:ふだん使いの”薩摩の白もん” 7寸平皿)
たっぷりのフェンネルが入ったオムレツ。油はピーナッツオイルを使っていて、ナッツ香とフェンネルがよく合うオトナのオムレツ。

今回のメインは、中国の少数民族料理とのこと。
『ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華』という本を参考にされているそうです。

「レモン鶏」が乗った青色の「リム付き角深皿」。
落ち着いた青色が爽やかで、料理や薬味、レモンの色を鮮やかに引き立てています。
白色のクロスとの相性も◎。美味しそうです。

さっぱりと頂けそうな「きゅうりとキクラゲの和え物」も、
透明なガラスのうつわのおかげで、爽やかさアップ。
焼きものに乗せるよりも、より涼しげに映えますね。

オガミノさんにうつわを使った感想をいただきました。

星耕硝子・リム付き角深皿
深いブルーがとても美しいリム付きのガラス皿、
深さがあるので冷製スープや汁気のある冷菜などにぴったりです。
濃い色合いのガラスはテーブルの色がダークだと沈んでしまうので、
白系のクロスを敷くときれいな色とガラスの透明感が食卓でも楽しめます。

背景で印象が変わるのもガラスの器ならではですね。
模様や色が入ったクロスと組み合わせても楽しめそうです。

オガミノさん、今回もご馳走様でした。

ガラスのお皿や鉢は、以下よりご覧いただけます。

「手しごとのガラス展」ガラス皿・鉢

 

 

オガミノさんの食卓【第5回】ガラスのうつわ編1

オガミノさんの食卓【第5回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを
日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

あっという間に6月。夏の陽気が感じられる日が増えてきました。
今年の夏も暑くなりそうです。
こんな季節には、ガラスのうつわを使って、涼しげな食卓もおすすめです。
ということで、今回はオガミノさんにガラスのうつわを使った食卓をお願いしてみました。

・・・今回は、見たこともないような料理が並んでいます。
まずはオガミノさんに解説をしてもらいましょう。

パニプリ
中が空洞の丸くて薄い揚げボール「プリ」の中にじゃがいもや豆などを入れて、香菜やミントがベースのハーブ&スパイス水「パニ」(お皿中央のピッチャー)を注いで一口で食べるインド屋台の定番スナック
ダヒプリ
プリの中に、じゃがいも、豆などに加えてヨーグルト(ヒンディー語で「ダヒ」)、タマリンドの甘酸っぱいソース、香菜のソースをかけて、一口で食べるスナック。
ダヒワダ
(うつわ:星耕硝子 リム付角深皿
ワダ(お豆でできた甘くないドーナツのようなインドのスナック)をヨーグルトで浸し、タマリンドの甘酸っぱいソース、香菜のソース、スパイス等をかけたもの。
パウバジ
じゃがいものシンプルなカレーにたっぷりのバターで焼いたパンを合わせていただくムンバイの定番ストリートフード。
コーンチャート
とうもろこし、紫玉ねぎ、トマト、香菜、グリーンチリとスパイスを合わせたサラダ。
アームカパンナ

石垣島からの到来品の青マンゴーをたくさん頂いたので、アームカパンナというインドの伝統的な夏の健康ドリンクを作ってみました。
未熟な青マンゴーは酸っぱく、 インドではピクルスに加工したりするほか、乾燥させてパウダーにしたものも酸味材のスパイスとしてよく使われます。そんな青マンゴーを煮て、クミン等のスパイス、 砂糖、 黒岩塩を加えてピュレにしたものを水で割ったのがアームカパンナ。
青マンゴーの爽やかな酸味とスパイスと砂糖で甘酸っぱスパイシー、そして黒岩塩の旨味とほんのりとした塩気が加わり、真夏の暑さの中での一杯は心身ともにリフレッシュさせてくれます。
鉄分やビタミン、ミネラルを豊富に含み、抗酸化作用、疲労回復効果、胃腸の機能を整える効果などもあり、酷暑のインドの真夏には欠かせない夏バテ防止ドリンクです。

今回はなかなか珍しいものばかり。
どれもインドのストリートフード=屋台料理だそうです。
インド料理の奥深さを思い知らされます。

インドの屋台の様子(写真:オガミノさん)

今回は、様々な手吹きガラスの皿や鉢を使って頂きました。
吹きガラスは耐熱ではありませんので、常温または冷たい料理に使えます。
インドには冷たい料理はなかなか無いそうで、そんな制約の中で
興味深いメニューをたくさん紹介してくださいました。

ガラスは透明ですので、焼き物とはまた違う印象で、食卓を彩ってくれます。


カレーはニジノハ(Rainbow Leaf)の大鉢に。
鉢の透明感のある緑色と料理がよくマッチしています。


色鮮やかなパニプリと、ガラスの皿とピッチャー、下に敷かれた裂織りのセンター、
それぞれが引き立てあっています。
透明のお皿だと、テーブルセンターやテーブルクロスと組み合わせても楽しめます。

こちらは、刺身をガラスの大皿に盛り付けた写真。

中華の冷菜(干豆腐とフェンネル、香菜の和え物)。
うつわは、太田潤さんの口巻きモール小鉢
ガラスのモール(凹凸による波状の模様)の陰影が食卓に映り、綺麗です。

オガミノさんに、ガラスの器を使った使用感を伺いました。
「ガラスの器なので、器へのにおい移りを気にする必要がなく、
案外インド料理とフィットするかも?と思いました。
鉢物はサラダのほか、冷菜や冷やした煮物などを盛っても涼しげで、
1つ持っていると便利だと思います」
とのこと。

確かに、焼きもの(陶器)ですと料理のにおいなどが残ってしまい、
洗っても落ちないことがありますが、ガラスだとその心配はありません。

陶器と違った楽しみ方が出来て、涼しげな食卓を演出するガラスの器。
夏の食卓に、取り入れてみてはいかがでしょうか。

オガミノさん、今回もご馳走様でした。

ガラスのお皿や鉢は、以下よりご覧いただけます。

「手しごとのガラス展」ガラス皿・鉢

 

 

オガミノさんの食卓【第4回】朝食とおやつ編

オガミノさんの食卓【第4回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを
日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

今回は朝食編とおやつ編の2本立てです。
さっそく、朝食編から。

鮮やかな色のソースがかかったワッフルに、スープ。
お洒落な朝食のテーブルですね!

さっそくメニューを解説いただきましょう。

ワッフル 自家製ルバーブソース添え
うつわ:ふだん使いの”薩摩の白もん”  平皿

休日の朝食、たまには気分を変えてと、ワッフルを焼いてルバーブソースをかけました。ルバーブに加えてチョコレートソースをかけ、フルーツを散らして、ホイップクリームも添えて。いつも朝は地味な和食の我が家、子どもたちには夢のような朝食だったようです。

かぼちゃのポタージュ
うつわ:小鹿田焼・黒木昌伸窯 スープカップ

バターで玉ねぎとかぼちゃを炒め、水を入れて柔らかくなるまで煮たあと、ブレンダーでペーストにして牛乳でのばしてポタージュに。吸い口には、第二回でご紹介したローストクミンパウダーをあしらっています。

ワッフル。白もんの温かみのある白に、色とりどりのソースが映えますね。本当に美味しそうです。

引き続き、おやつ編。

小豆オーレ
うつわ:小鹿田焼・黒木昌伸窯 スープカップ

小豆の茹で汁をミルクで割って、お砂糖で甘みをつけたもの。
(カフェオレの小豆版のようなもの)
地味ですがホッとする味わいです。
小豆のカレーを作るために豆を茹でた日にできたドリンクです。

胡麻のスコーン
うつわ:小鹿田焼 4寸皿

小嶋ルミ先生のレシピ。工程や計量は手間がかかりますが、このスコーンを知ってしまうと他には戻れないほど気に入っています。外側はサクッと、中はフワフワの生地に発酵バターの香り、炒り立ての白ごまと黒ごまの香りが口の中で広がり、たまらぬ美味しさです。

器を使った感想もうかがいました。

ふだん使いの”薩摩の白もん” 平皿(ワッフル)

柔らかな乳白色の 温かみがあるリム付き平皿、
厚みも薄すぎもせずカジュアルにもなりすぎず、
とても品よく日常の食卓を映えさせてくれます。
今回はワッフルを盛り付けてみましたが、
トーストにサラダを添えても十分なサイズなので、
朝食のシーンで活躍してくれています。
また、お肉や魚料理など、メインディッシュを盛り付けると、

リムの余白がお料理を引き立ててくれて、おうちごはんがお店みたいに変身しますよ。

小鹿田焼・黒木昌伸窯 スープカップ (かぼちゃのスープ、小豆オーレ)

柔らかなモスグリーンの地に、青磁のような薄い水色と、明るい茶色の釉薬が
縦に流しかけられたスープカップ。
ぷっくりとした柔らかな形は睡蓮鉢がモデルなのだそうですが、
安定感があって子どもでも使いやすいです。
用途もいろいろ。スープを入れるのはもちろん、
カフェオレボウルとして使ったり、シリアルを入れたり。
お味噌汁も普段はお椀でいただきますが、このスープカップに入れると、
ちょっと新鮮で楽しい食卓にもなります。
………………………………………………….
今回は朝食とおやつを取り上げましたが、どれも本当に美味しそうですね。
特にワッフルは、お皿の雰囲気との相乗効果もあってか、まさにレストランメニュー。
こんな料理が朝から出てくるなんて…羨ましいです。
ごちそうさまでしたm(_ _)m

今回ご紹介したうつわは、こちらよりオンラインショップページをご覧いただけます。
(一部品薄となっている品もございます。ご了承ください)

それでは、また次回をお楽しみに。

 

 

オガミノさんの食卓【第3回】タイの食卓編

オガミノさんの食卓【第3回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを
日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

今回の食卓は、こちらです。

色とりどりで美味しそうです!

今回の献立は:
ソムタム(青パパイヤのサラダ)、ガイヤーン(ハーブ香るタイ焼き鳥)、
空心菜炒め、玉子とトマトと春雨のスープ、ごはん
です。

さっそくメニューを解説いただきましょう。

ソムタム(青パパイヤのサラダ)
うつわ:小鹿田焼・坂本浩二窯 七寸片口鉢

青パパイヤといえばソムタム。
ニンニク、唐辛子、ナンプラー、ライム、ココナッツシュガーでいわばドレッシングを作り(本当干しエビを入れるのですがわたしは甲殻類NGなので省略)、ミニトマト、インゲン、青パパイヤのスライスを順に石臼に入れてゴンゴン叩いて、野菜の繊維を壊して味を染み込ませます。
うつわに盛りつけて、香菜とピーナッツをトッピング。

空芯菜炒め
うつわ:小鹿田焼・黒木昌伸窯 6寸伏せ合わせ皿

粗みじんにしたニンニクと唐辛子を炒めて香りを出し、空心菜をさっと炒めて仕上げにナンプラーを回しかけました。

ガイヤーン(ハーブ薫るタイ風焼き鳥)
うつわ:小鹿田焼・坂本浩二窯 七寸皿

ナムチムジェオ(ガイヤーン用ソース)
うつわ:石見焼 ミニ片口

ガイヤーンはハーブの香り豊かなタイ風の焼き鳥。
鶏もも肉を醤油やナンプラー等の調味料、レモングラスや香菜の根などのハーブに漬け込み、オーブンで焼きました。
醤油ベースの味付けですがハーブの香りが鼻に抜けて一気にタイの気分。

ナムチムジェオはお肉などに合うタイのBBQソース。
酸味のあるマメ科の果実タマリンドとココナッツシュガー、バイマックル(コブミカンの葉)に唐辛子、ナンプラーなど、タイ料理の特徴である酸っぱ甘辛い美味しさが詰まったソース。
炒ったお米の粉も入ることにより、香ばしさと深みもアップ。グリルしたお肉にかけると美味しさ倍増です。

今回はなんとタイ料理!本格的です。

小鹿田焼のうつわが色彩豊かな食材を受け止め、料理をよく引き立てています。
食卓の印象も統一感があって良い感じ。小鹿田焼の懐の深さがよくわかります。
美味しそうですね。

うつわを使った感想も伺いました。

小鹿田焼・坂本浩二窯 七寸片口鉢(ソムタム)

よく見かける片口よりは浅手ですが、7寸の大きさがあり、
ソムタムのようなつゆだくのサラダや煮びたしなど、
汁気の多いお料理を盛り付けるのにぴったりです。
落ち着いたグレーの刷毛目なので、どんな料理も受け止めてくれますが、
彩りが綺麗なお料理を盛るとよく映えます。

また、この大きさと深さがカレー皿としても秀逸。
リムに向かって丸くカーブして立ち上がっていく形状が、
スプーンでとても掬いやすいです。


(メニューはカシューナッツのカレー、大根のカレー、人参のスパイス炒め、青ネギのココナッツ炒め、ココナッツと鰹節の辛いふりかけ)

カレー皿としては少し小ぶりにも見えますが、深さがあるので
たくさん食べたい方はご飯もカレーもたくさん盛れます。
そして、本来の用途とは違いますが、
片口部分をスプーンレストにすると、素晴らしい収まり具合です。

小鹿田焼・黒木昌伸窯 6寸伏せ合わせ皿(空芯菜炒め)

落ち着いた青丹色におおらかな藁引きの模様が美しいです。
今回は同系色の葉物を盛り付けて緑のグラデーションを楽しんでみましたが、
緑とのコントラストが出るような反対色の赤系の食材、
白っぽい色のお料理を盛りつけても綺麗です。


(ピーツのサラダを乗せて)

緑系の釉薬のうつわは一見難しそうに見えますが、
案外どんなお料理でも合わせやすいですし、
テーブルが引き締まった印象になるので使い勝手が良いです。

小鹿田焼・坂本浩二窯 七寸皿 白 櫛描き(ガイヤーン)

温かみのある白地に櫛書きがリズミカルに描かれた一枚。
今回のようにメインディッシュを盛り付けても、
ワンプレートで朝食やランチにも、カレーやパスタ皿としても。
万能に使えます。

今回も彩り豊かで、うつわとの組み合わせも素晴らしかったですね。
ごちそうさまでしたm(_ _)m

今回ご紹介したうつわは、こちらよりオンラインショップページをご覧いただけます。
(一部品薄となっている品もございます。ご了承ください)

それでは、また次回をお楽しみに。

 

 

 

オガミノさんの食卓【第2回】和の食卓編

オガミノさんの食卓【第2回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

2回目となる今回の食卓がこちら。

第1回と打って変わって、見慣れた料理が並ぶ印象ですね。

早速、オガミノさんに献立を紹介して頂きましょう。

鶏肉、ベビーコーン、いんげんのギーポン酢炒め
(うつわ:ふだん使いの「薩摩の白もん」ボウル

インドの澄ましバター「ギー」で鶏肉と野菜を炒め、最後にポン酢を回しかけました。
簡単ですがギーのコクもありつつポン酢でさっぱり。ごはんが進みます。

さつまいもと黄人参の炊き込みご飯
(うつわ:ふだん使いの「薩摩の白もん」飯碗

すりおろしの人参とさつまいも、昆布、お酒、塩少々で炊きました。お米のほかにもち麦も少し入れたのでモチモチ感もあり、子どもにも好評。

人参とツナのサラダ(手前)
(うつわ:小鹿田焼 5寸皿

スライサーで千切りにして蒸した人参とツナ缶を、塩、黒胡椒、ローストクミンパウダー、レモン汁、オリーブオイルで和えました。
葉付きの人参が手に入ったので、葉っぱも刻んでいろどりに。一緒に乗っているおにぎりは、上でご紹介した炊き込みご飯にクミン+ナッツ+塩のふりかけを混ぜて。
(記事下にある「オガミノさんのひとくちコラム」もご覧ください)

今回はよくある夕飯の食卓かと思いきや、インド的要素があちこちに。
オガミノさんならではのアレンジ、美味しそうです。

うつわを使った感想も伺いました。

「ふだん使いの薩摩の白もん」ボウル(鶏肉、ベビーコーン、いんげんのギーポン酢炒め)

取り分け料理のうつわとして、麺類を入れる鉢として、とても使い勝手がよいです。
少し大きめですが食べ盛りのお子さんなら丼にしてもよさそう。
フチに入った2本のラインがうつわをぐっと引き締めてくれて格好良いです。


(写真は具だくさんのタンメン)

 

「ふだん使いの薩摩の白もん」飯碗(さつまいもと黄人参の炊き込みご飯)

白いご飯を盛ると上品な雰囲気になりますが、炊き込みご飯を盛ると色がとてもきれいに映えます。
何よりとても使いやすいです。しっくり手になじむ形で、重すぎもせず、軽すぎもせず、厚みも絶妙。
細かな貫入が美しく、育てていく楽しみもあるうつわです。

小鹿田焼 5寸皿(人参とツナのサラダ)

取り分け皿として、小さなおかずを載せるお皿として、デザート皿として、
また写真のような軽食を載せるお皿として、使い方のバリエーションは様々。

濃いグレーの地に描かれた白い波線模様が軽やかさを与えてくれ、
締まった印象の中にも遊びがあり、料理を盛りつけても単調にならず楽しいです。

オガミノさんの一言コラム「クミンについて」(写真は上から右回りに①非加熱のクミンシード、②ローストしたクミンシード、③ ②を挽いたローストクミンパウダー)

クミンは人参とは出会いのものといわれるくらい相性抜群のスパイス。
カレーには欠かせない食欲をそそる香りが特徴的ですが、健胃作用、駆風 (お腹のガスを抜く) 作用、腎臓をケアする効果などあり、毎日の食卓にもどんどん取り入れたいスパイスです。
サラダなど非加熱の料理に入れる場合には、よりよい香りを引き出すため、パウダーのものでなく、シードを乾煎りして挽いて使うのがポイントです。
(いりごまを作る要領でフライパンでカリッとして香りが立ってくるまで炒るとすり鉢で簡単に挽けます)
クミンシードを一瓶買ってはみたけど使いきれないこと、ありませんか?
そんなときはローストクミンパウダーを作ってみるのがおすすめです。
サラダに入れたり、スープの吸い口にしたり、ナッツと塩を合わせてふりかけにしたり(人参サラダの隣のおにぎりはクミン+ナッツふりかけ入りです)、オレンジやリンゴのジュースにトッピングしても美味しいです。

今回もオガミノさんの個性あふれる食卓をのぞかせていただきました。
ごちそうさまでしたm(_ _)m

今回ご紹介したうつわは、こちらよりオンラインショップページをご覧いただけます。
(一部品薄となっている品もございます。ご了承ください)

それでは、また次回をお楽しみに。

 

 

オガミノさんの食卓【第1回】インドの食卓編

オガミノさんの食卓【第1回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、講師として活動されているオガミノさん。広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

早速、ある日の食卓をのぞいてみましょう。

料理もうつわも、色とりどりで楽しい食卓ですね!
この日のメニューをオガミノさんに解説していただきましょう。

アールーティッキー
うつわ:ふだん使いの薩摩の白もん 切立皿(8寸)

インドの定番屋台料理。香菜や玉ねぎを混ぜたマッシュポテトを丸く成形してギー(インドの澄ましバター)で揚げ焼きにし、ヨーグルト、タマリンドの甘酸っぱいソース、香菜のグリーンソース、セヴというスナック、ザクロをトッピング。塩甘辛酸っぱいが口の中で合わさり、ループが止まらない罪な食べ物。

南インドのサラダ
うつわ:小鹿田焼・坂本浩二窯 4.5寸丸鉢

マンゴー、デーツ、ハヤトウリ、緑豆のプティフィー(スプラウト)、ひまわりの種、香菜。南インドのチェンナイで食べた思い出の味。

マンガロールバナナバンズとココナッツチャトニ
うつわ:嶋田窯・ミニ片口

南インド西岸、カルナータカ州マンガロール地方のバナナ揚げパンと、バナナバンズにつけるココナッツソース。青唐辛子の辛みが美味しい。

ケーララスタイルベジタブルシチュー
(手前右のうつわ)

南インド西岸ケーララ州のココナッツベースの辛いシチュー。青唐辛子と黒胡椒がピリリと効いた大人の味。ケーララ州はクリスチャンが人口の2割を占め、このような西欧の影響を受けた料理も見られる。

オガミノさんに、今回使ったうつわについても紹介していただきました。

「ふだん使いの薩摩の白もん」切立皿(アールーティッキー)

温かみのある乳白色の釉薬のこのお皿、どんな料理を盛りつけても映えます。
ブログのアールーティッキーは緑、茶、白のソースをかけるのですが、
白いお皿に、色とりどりのソースをかけていくのは、
小鹿田の打ち掛けをしているようで、とても楽しいです。

深みがあるので、カレーなど、汁気のあるものにもよいのはもちろんですが、
もう一つ使いやすいのは、底面がフラットなこと。
手仕事のろくろのお皿は、外側から中心に向かって傾斜がついていることが多く(それが当たり前ですが)、
ワンプレートで何種類かの料理を盛り付けた際に、時間が経つとお料理がずれたり、
サラダのドレッシングなどの液体が中心に流れてしまったり、というのが今まで小さなストレスでした。
しかしこのお皿は平らな仕上がりなので、とても綺麗に盛り付けることができます。
手仕事の温かさを持ちながら、機能性もあり、お料理を美しく見せてくれる一枚です。

小鹿田焼・坂本浩二窯 4.5寸丸鉢(南インドのサラダ)

フチが少しすぼまって、ころんとした形が可愛い丸鉢。
小どんぶりとしてご飯ものや麺類を入れて使ったり、
あら汁や骨付き鶏の煮込みなどゴロンと大きな具の入る汁物を豪快に入れてめいめいで使っても。
取り分けするお料理に使う際には、サラダや和え物、煮物などを盛り付けたり。

温かみのある飴釉で、冬場には食卓の雰囲気をほっこりとさせてくれますが、
夏場も塩ゆでした枝豆を無造作に入れると、飴釉の茶に緑が映えてよい感じです。