オガミノさんの食卓【第5回】
本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、
講師として活動されているオガミノさん。
広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、
インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、
日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを
日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、
そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。
あっという間に6月。夏の陽気が感じられる日が増えてきました。
今年の夏も暑くなりそうです。
こんな季節には、ガラスのうつわを使って、涼しげな食卓もおすすめです。
ということで、今回はオガミノさんにガラスのうつわを使った食卓をお願いしてみました。
・・・今回は、見たこともないような料理が並んでいます。
まずはオガミノさんに解説をしてもらいましょう。
(うつわ:星耕硝子 リム付角深皿)
石垣島からの到来品の青マンゴーをたくさん頂いたので、アームカパンナというインドの伝統的な夏の健康ドリンクを作ってみました。
未熟な青マンゴーは酸っぱく、 インドではピクルスに加工したりするほか、乾燥させてパウダーにしたものも酸味材のスパイスとしてよく使われます。そんな青マンゴーを煮て、クミン等のスパイス、 砂糖、 黒岩塩を加えてピュレにしたものを水で割ったのがアームカパンナ。
青マンゴーの爽やかな酸味とスパイスと砂糖で甘酸っぱスパイシー、そして黒岩塩の旨味とほんのりとした塩気が加わり、真夏の暑さの中での一杯は心身ともにリフレッシュさせてくれます。
鉄分やビタミン、ミネラルを豊富に含み、抗酸化作用、疲労回復効果、胃腸の機能を整える効果などもあり、酷暑のインドの真夏には欠かせない夏バテ防止ドリンクです。
今回はなかなか珍しいものばかり。
どれもインドのストリートフード=屋台料理だそうです。
インド料理の奥深さを思い知らされます。
今回は、様々な手吹きガラスの皿や鉢を使って頂きました。
吹きガラスは耐熱ではありませんので、常温または冷たい料理に使えます。
インドには冷たい料理はなかなか無いそうで、そんな制約の中で
興味深いメニューをたくさん紹介してくださいました。
ガラスは透明ですので、焼き物とはまた違う印象で、食卓を彩ってくれます。
カレーはニジノハ(Rainbow Leaf)の大鉢に。
鉢の透明感のある緑色と料理がよくマッチしています。
色鮮やかなパニプリと、ガラスの皿とピッチャー、下に敷かれた裂織りのセンター、
それぞれが引き立てあっています。
透明のお皿だと、テーブルセンターやテーブルクロスと組み合わせても楽しめます。
こちらは、刺身をガラスの大皿に盛り付けた写真。
中華の冷菜(干豆腐とフェンネル、香菜の和え物)。
うつわは、太田潤さんの口巻きモール小鉢。
ガラスのモール(凹凸による波状の模様)の陰影が食卓に映り、綺麗です。
オガミノさんに、ガラスの器を使った使用感を伺いました。
「ガラスの器なので、器へのにおい移りを気にする必要がなく、
案外インド料理とフィットするかも?と思いました。
鉢物はサラダのほか、冷菜や冷やした煮物などを盛っても涼しげで、
1つ持っていると便利だと思います」
とのこと。
確かに、焼きもの(陶器)ですと料理のにおいなどが残ってしまい、
洗っても落ちないことがありますが、ガラスだとその心配はありません。
陶器と違った楽しみ方が出来て、涼しげな食卓を演出するガラスの器。
夏の食卓に、取り入れてみてはいかがでしょうか。
オガミノさん、今回もご馳走様でした。
ガラスのお皿や鉢は、以下よりご覧いただけます。