オガミノさんの食卓【第1回】インドの食卓編

オガミノさんの食卓【第1回】

本格的なインド料理教室として名高い「キッチンスタジオ・ペイズリー」で、講師として活動されているオガミノさん。広大なインドの文化と食の多様性、インドの食文化の面白さに惹かれ、インド料理の道を志されたのだそうです。
そんなオガミノさんは、手仕事フォーラムの活動などを通じて、日本の手仕事にも深い興味を持ち、いろいろなうつわを日々の暮らしに採り入れています。
この企画は、オガミノさんの日常の食卓を覗き、そこで使われているうつわ、そして、オガミノさんが得意とするインド料理を(ちょっとだけ)紹介する企画です。

早速、ある日の食卓をのぞいてみましょう。

料理もうつわも、色とりどりで楽しい食卓ですね!
この日のメニューをオガミノさんに解説していただきましょう。

アールーティッキー
うつわ:ふだん使いの薩摩の白もん 切立皿(8寸)

インドの定番屋台料理。香菜や玉ねぎを混ぜたマッシュポテトを丸く成形してギー(インドの澄ましバター)で揚げ焼きにし、ヨーグルト、タマリンドの甘酸っぱいソース、香菜のグリーンソース、セヴというスナック、ザクロをトッピング。塩甘辛酸っぱいが口の中で合わさり、ループが止まらない罪な食べ物。

南インドのサラダ
うつわ:小鹿田焼・坂本浩二窯 4.5寸丸鉢

マンゴー、デーツ、ハヤトウリ、緑豆のプティフィー(スプラウト)、ひまわりの種、香菜。南インドのチェンナイで食べた思い出の味。

マンガロールバナナバンズとココナッツチャトニ
うつわ:嶋田窯・ミニ片口

南インド西岸、カルナータカ州マンガロール地方のバナナ揚げパンと、バナナバンズにつけるココナッツソース。青唐辛子の辛みが美味しい。

ケーララスタイルベジタブルシチュー
(手前右のうつわ)

南インド西岸ケーララ州のココナッツベースの辛いシチュー。青唐辛子と黒胡椒がピリリと効いた大人の味。ケーララ州はクリスチャンが人口の2割を占め、このような西欧の影響を受けた料理も見られる。

オガミノさんに、今回使ったうつわについても紹介していただきました。

「ふだん使いの薩摩の白もん」切立皿(アールーティッキー)

温かみのある乳白色の釉薬のこのお皿、どんな料理を盛りつけても映えます。
ブログのアールーティッキーは緑、茶、白のソースをかけるのですが、
白いお皿に、色とりどりのソースをかけていくのは、
小鹿田の打ち掛けをしているようで、とても楽しいです。

深みがあるので、カレーなど、汁気のあるものにもよいのはもちろんですが、
もう一つ使いやすいのは、底面がフラットなこと。
手仕事のろくろのお皿は、外側から中心に向かって傾斜がついていることが多く(それが当たり前ですが)、
ワンプレートで何種類かの料理を盛り付けた際に、時間が経つとお料理がずれたり、
サラダのドレッシングなどの液体が中心に流れてしまったり、というのが今まで小さなストレスでした。
しかしこのお皿は平らな仕上がりなので、とても綺麗に盛り付けることができます。
手仕事の温かさを持ちながら、機能性もあり、お料理を美しく見せてくれる一枚です。

小鹿田焼・坂本浩二窯 4.5寸丸鉢(南インドのサラダ)

フチが少しすぼまって、ころんとした形が可愛い丸鉢。
小どんぶりとしてご飯ものや麺類を入れて使ったり、
あら汁や骨付き鶏の煮込みなどゴロンと大きな具の入る汁物を豪快に入れてめいめいで使っても。
取り分けするお料理に使う際には、サラダや和え物、煮物などを盛り付けたり。

温かみのある飴釉で、冬場には食卓の雰囲気をほっこりとさせてくれますが、
夏場も塩ゆでした枝豆を無造作に入れると、飴釉の茶に緑が映えてよい感じです。