「初夏の染付とかご」から

今年の初夏は、染付の器とかござるの爽やかな組合せをお楽しみ下さい。

新たに届いているかごを一部ご紹介します。

 

◎栃木 寒竹細工

細い寒竹を1本ヒゴどりして編まれるかご。

他の多くのかご細工の竹や蔓のように、材料の良い時期に伐採し、
保管しながら一年間使うということができません。

採ってすぐの青々した寒竹は、弾力性と粘りがあり、折れずに美しい曲線を生みます。

◇手付き椀かご

底から持ち手まで一体で編まれた曲線が美しく、かつ、頑丈です。

水に強く、ひごを割かず丸のまま使われるので、カビが発生しづらく、台所などの水場での使用に適します。

底上げになっているので、水が切れます。

まさに実用と美しさを兼ねたものです。

 

◇花型ざる

 

◇深ざる(φ40cmほど)

 

◇浅ざる

たまに紫がかった部分が混ざりきれいです。

 

◎房総のかご

関東の中でも温暖な千葉県。菜の花などの花畑の多い地方です。

豊富な竹を利用して、「花かご」とも呼ばれる「背負いかご」をはじめ、漁業や農業で使う頑丈なかごを様々に作ってきました。

◇花かご

 

◇草ざる

 

◇長芋かご

 

◎福島 マタタビ細工

奥会津で古くより、たどれば縄文の時代から作られていたという編組品。

永年、生活の中で作り使われてきた道具は、現代、工芸品としてもまた作られ続けています。

白く柔らかなマタタビには、やさしい風合いがあります。

小深ざる・米研ぎざる

 

◎新潟 樹皮細工

◇くるみ手提げ

野趣あふれるくるみの手提げかご。皮の表を表側にして編んでいます。

皮の裏側は、黒に近い焦げ茶色です。

明るい印象で、夏の装いにもいいですね。

 

雪国だよりの時にブログに書いたかご類(1)

その(2)の産地から再び届いてもいますので、楽しみおいで下さい。

 

 

 

小鹿田焼復興支援寄付金募集終了のおしらせとご報告

手仕事フォーラムブログより抜粋======

平成29年7月に発生した九州北部地方の豪雨災害に伴う

小鹿田焼への支援募金については、皆様から多くのご支援を賜り、

心から御礼申し上げます。

(中略)

なお、手仕事フォーラムでは2018年3月末をもって募金の受付を終了致しました。

2017年7月より開始しました募金は、累計¥2,237,974となり、

全額を小鹿田焼協同組合に寄付致しました。

たくさんのご支援、誠にありがとうございました。

======================

 

また、当店店頭で募金にご協力下さったみなさま、深く感謝申し上げます。

2018年3月末時点までに集まった、総額¥54,860は、

手仕事フォーラムを通じて、小鹿田焼協同組合に寄付されました。

 

着実に復興の歩みを進めている小鹿田焼ですが、

自然との共存が焼き物に豊かな魅力をもたらす一方で、

その脅威と常に隣り合わせという事実も目の当たりにしました。

私たち使い手の一人は無力かもしれませんが、この美しい焼き物を使い、楽しみながらこれからも一緒に応援していただけたら幸いです。

 

手しごと

 

やちむんが届きました

久しぶりに沖縄の焼き物 ‘やちむん’ が入荷しました。

お皿やマカイ(鉢のこと)など、日常使いのものが中心です。
一部を写真でお伝えします。

 

◆7寸皿(φ21cmほど)

 

◆6寸皿(φ18cmほど)

白イッチンが、エキゾチックな感じもありつつ、シックな雰囲気に仕上がりました。

 

◆5寸皿(φ15cmほど)

花唐草の絵付けの濃淡がきれいです。

 

◆4寸皿(φ12cmほど)

個人的に今回一番のお気に入りのイッチンの皿です。つい写真も多めに。

白泥で、伸びやかに気持ちよく、唐草模様が描かれています。

マットな焼き上がりも魅力的です。

 

◆3.5寸皿(φ10.5cmほど)

 

◆マグカップ小(φ7.5cm H9cmほど)

イッチンのマグカップもとてもよく、ややこぶりで軽い作りです。

 

◆ 4.5寸マカイ(φ13cmほど)

 

◆ 4寸マカイ(φ12cmほど)

 

◆ 3.5寸マカイ(φ10.5cmほど)

子供用ごはん茶碗にもよいサイズです。小鉢としても。

 

◆ 5寸ワンブー(φ15cmほど)

フチの藍の唐草模様が、額縁のようにお料理を引き立てます。

 

◆ 渡名喜瓶

大:H15.5cmほど
小:H11.5cmほど

特徴的な形の ‘トナキビン’
本来は、泡盛をお供えするための瓶です。

 

 

お越しをお待ちしております。

気になるものがありましたら、お気軽にお問合せ下さい。

 

 

 

 

小鹿田焼 柳瀬朝夫窯 入荷しています

久しぶりに柳瀬朝夫窯が入荷しています。

これを待っていたんだ!と喜びひとしおです。

お年を召した朝夫さん。

少しでも長くお仕事を続けてもらいたいと願います。

朝夫さんの作る物に胸躍らせたい。

使い手の身勝手な願いではありますが。

 

他にも皿、鉢などございます。

販売済になっていることもありますので、お気軽にお問合せ下さい。

 

 

花盛り

手しごとは現在花盛りです。

お客様のNさんが、ご自宅の山から採ってきて下さる枝物は、生命感に満ちあふれていて、手仕事の器にとてもよく合います。

ミモザ × 栗とりかご特大(岩手一戸)※売約済

椿 × 磨き土器 筒(茨城真壁)

桃 × 小鹿田焼 雲助(大分)

木蓮 × やちむん 筒(沖縄読谷)

ミモザ × 湯町窯 ピッチャー(島根)

 

生き生きとした植物と手仕事の競演です。

 

‘太田潤 手吹き硝子展’から②

あっという間に明日が展示会最終日です。

どうもくせになる潤さんのガラス。
毎日囲まれていたら、大好きでしょうがなくなってきました。
終わるのがさみしいです。

会期後半に少しずつ撮った写真を載せておこうと思います。

栓付瓶
花さし

 

金平糖入れ
角首長瓶
くびれコップ

 

栓付瓶

 

角花さし
ぐいのみ
小さい花さし

 

六角花さし

 

ミルクピッチャー

 

口返し大鉢

 

ランプシェード

 

六角花さし
扁壺

 

7寸皿

 

 

気になるものがありましたら、お気軽にお問合せ下さい。

会期後も、少しの間ご対応いたします。

 

潤さんのこと

3/9金から開催している ‘太田潤 手吹き硝子 展’

初日から2日間、潤さんが福岡県よりはるばるお店までやって来てくれ、
2日目だった昨日は、ギャラリートークとしてお話しを聴く会を催しました。

朗らかで気さくな人当たり、

わはは!と豪快に笑い、でもカメラを向けると少しシャイな笑顔。

居合わせたお客さんの赤ちゃんには、優しく目を細め、温かな人柄がにじみ出ます。

・・・

福岡・小石原焼、優れた民藝陶器を継承する太田哲三窯に生まれた潤さん。

長男の圭さんは陶工として、次男の潤さんは、吹きガラス職人として歩んでいます。


(小石原焼の縁有り鉢から着想した’モール小鉢’)

じっとしていられない性分で、ロクロの前に座り続ける仕事は向いていないと感じていたこと、

昔から家にあった小谷真三さんの倉敷ガラスや、イランやメキシコのガラスに改めて目が向き、この道にすすみました。


(’栓付瓶’と’小さい花さし’)

どうやって作るのかを学ぶための沖縄での5年間は、分業制のため、実際にガラスを吹く事はほとんどなく、目で見て学ぶ修行となりました。

再生ガラスしか使っていないのも、沖縄で学んだことからです。


(沖縄の再生ガラスを想起する’モールロックグラス’)

福岡に戻り、憧れの小谷さんの図録の巻末にあったという窯の模式図を見ながら、なんとそれだけで窯を自作し、工房を建て、いよいよガラスを吹きはじめます。


(工房移転後の現在の窯。火があらぬ所から吹き出て、動き出しそうな生命感があります。)

潤さんのガラスは、少々歪んでいたり、傾いていたり。

それを私たちは、愛嬌がある、味がある、と感じたりもしています。

潤さん自身は、

下手ですみません、
せっかちで丁寧にできなくて、
やり直すと却ってまずくなるんで、
めんどくさくて、(おいおい!笑)
なまけものなんで、(おーい!笑)

がははー!と笑いながら話します。

全く自分を飾らない、ありのままな人。

実際はものすごく努力をしてきているはずで、強い信念を秘めている人。

そう感じました。

小谷さんの物を真似して作ってるつもりだけど、全然似ないと笑います。

不揃いな形は、技術が発展途上とも言えるし、

ガラスの溶解が不十分で、気泡がたくさん入ったりもする。

(その自然に入ってしまった泡が、とてもきれいなのですが)

自作の窯のごきげんをうかがいながら、その時できる物を一生懸命作る。

早くたくさん作る。変にいじりすぎない。

小谷さんからきいた「ガラスのなりたい形にしてやる」という言葉が心にあるそうです。

自然に逆らわない。

潤さんのガラスは、潤さんそのものです。

なぜ心惹かれるのか、わかった気がしました。

 

 

‘太田潤 手吹き硝子展’から①

いよいよ、3/9(金)から潤さんの個展がはじまります。
日常使いのガラス器もたくさん届いています。
写真で少しずつ紹介していきます。

◇小さい花さし

色・かたち、さまざまにたくさん作ってくれました。

春の野の花を、少しずつたくさん挿したいな、と夢見る窓辺です。

◇モール小鉢(小・大)
◇口巻モール小鉢

小さめの底から朝顔のようにぱっと広がる形がきれいで、
食べ物がよく映えます。
テーブルに落ちるモール模様の影も美しく、素朴で可憐な美しい器です。

◇たるグラス

手のひらにころんと収まるコップ
今回のスカイブルーは清々しく冴えています。

色の出方も毎回少しずつ異なるのが、潤さんの再生ガラスのおもしろみです。

今回のこの淡いグリーンは独特な雰囲気です。

若草色のような、海藻からつくった寒天のような、、なんとも言えない良いかんじです。
例えがいまいちでしょうか。

◇栓付瓶(小)

心惹かれる佇まい。

◇モールロックグラス

定番の7色全て入荷しています。
潤さんが修行された、沖縄を彷彿とさせるロックグラス。

関東では冬が影をひそめ、これからどんどんグラスの出番が増えますね。

◇ピッチャー

福岡の民陶、小石原焼の太田哲三窯に生まれた潤さん。
陶器に囲まれて育った環境が、やはり独自の造形感覚を養っているのだなと、
ピッチャーの形からみてとれます。

 

まだまだたくさんあるので、次回また紹介したいと思っています。

 

◆3/9(金)15時頃〜 太田潤さん 在店

◆3/10(土)16時〜17時 太田潤さんギャラリートーク
(席に限りがありますので、事前にお申し込み下さい)