「雪国だより」から(1)

「雪国だより」1月27日からはじまります。
雪の降る土地から届いた、温もりのある手仕事をご紹介してまいります。

まずは、樹皮や竹を使って編まれたカゴから。

 

岩手・二戸 スズ竹細工

寒冷地に生えるスズ竹で編まれたカゴです。
細く、柔らかく弾力のあるスズ竹は、
古くから竹細工に用いられてきました。

手のついたユニークな形のカゴは「豆腐かご」という名前で、
その名のとおり、豆腐を運ぶために作られたものです。

柔らかいスズ竹は、このような箱のような形状にもしやすく、
弁当箱や、書類や本を入れる箱も作ることができます。

 

河口湖・スズ竹細工

同じスズ竹ですが、こちらは山梨の富士山麓で採られたスズ竹で編まれています。
関東からほど近い土地ですが、甲州郡内ザルとよばれ、
蕎麦ざるや米研ぎざるを数多く生産してきました。

 

秋田・イタヤ細工

イタヤ=イタヤカエデは、山地を中心に自生するカエデ科の植物です。
秋田県仙北地方では、古くから箕をはじめとした農具を作るための
材料として使われてきました。軽くて丈夫な性質を持ちます。

枝の樹皮を剥き、編める程度の厚さになるまで裂いてから編まれます。
柔らかくて艶のある、なんとも上品な白色です。

「オボキ」と呼ばれる物入れです。
昔は、麻やからむしなどの糸を入れるために使われていました。
竹などと違い、表面がツルツルしていますので、
毛糸の物などを入れても引っかかりにくいです。

 

竹カゴは他にもまだまだございます。
改めてご紹介しますので、どうぞお楽しみに。