「雪国だより」から(2)

前回に引き続き、カゴを中心にご紹介します。

 

宮城・篠竹細工

宮城県の篠竹(しのだけ)細工です。

肥料ふりカゴと言う名がつけられた農具です。

篠竹と桜の皮、藤の蔓を用いて編まれます。
この集落では古くから作られてきたものですが、
今や作り手はごくわずかしかいません。

竹と桜のそれぞれの色のコントラストが映え、
なだらかな曲線を描いた形も美しいです。

 

岩手・真竹細工

岩手県の北部、一戸で作られる真竹(まだけ)細工です。

今回、小さめの「かいばかご」をお願いしました。
古くからつくられていた農具から取り入れたデザイン、
力強く堂々とした形です。

真竹は本来温暖な地域で自生し、その強靭さを活かして
農具や漁具など実用品に広く用いられます。
一戸では真竹は採れませんが、県南部から竹を入手し、
地元の実用に耐えうる竹細工を作って来ました。

 

長野・戸隠 根曲がり竹細工

根曲がり竹は、主に東北や長野の山間部に自生する竹です。
深い雪に耐えうるしなやかさと強さを合わせ持ちます。

神話の地・戸隠では、古くから地元名産の蕎麦を供するためのザルをはじめ
様々な日用品、実用品を作るのに用いられてきました。

水分にも強いため、茶碗かごとしてもその特長を発揮します。

縁は、竹を燻して飴色にしたもので巻いています。
緑と茶色のコントラストが美しいです。
竹の色は徐々に黄色から飴色に変化して行きます。