私たち手しごと尾山台店のスタッフは、代表の久野が主催する手仕事フォーラムのメンバーでもあります。今回は、手仕事フォーラム主催の学習旅行にスタッフ西村が同行した際のレポートをお届けします。
手仕事フォーラムの学習旅行に参加しました。毎年行われているこの旅行、今回は長野・松本が舞台です。
まずは、手仕事フォーラムのメンバーでもあるYさんの別荘へ。膨大な民藝のコレクションが収蔵されています。民藝を学ぶにはとにかくものをたくさん観ること。久野が一つ一つそのものの背景や観るポイントを解説していきます。
そして松本といえば、松本民藝家具。松本民藝家具は松本の民藝運動の中心となる池田三四郎氏が設立し、現在も職人による手仕事を実践する数少ない家具メーカーの一つです。工場の中を見学させていただきました。
木取り、組立、塗装と一つ一つの作業が分業によって作られています。販売時から時間を経て美しさが増していくように考え作られる家具は、親から子へと受け継がれ、修理の依頼がとても多いそうです。
また、近郊にある松本民藝生活館も見学させていただきました。
富山の五箇山から移築された民家には、日本だけでなく世界各地の家具がならび、実際に暮しの中で家具を使うことやその手入れの仕方、年月を経た家具の魅力を学ぶ職人の研修・養成の場として使われているそうです。ここで感じ学びとったものが、実際に作るものに反映されていくのですね。
その後は松本民藝家具の職人であった故荻原氏のお宅を見学させていただきました。
空間のスケール感、家具や物の配置ひとつひとつに気が配られ、とても調和がとれた空間です。夫人のお漬物とお茶をいただき、すっかりくつろいでしまいました。日常の暮しの中で民藝を楽しんでおられる様子が伝わってきて、民藝の楽しみ方の一つのかたちとして、とても参考になるお宅でした。
実際にものだけでなく、それが生み出される場、使われる様子をみることができて、とても充実した旅になりました。
見学させていただいた皆様ありがとうございました。
手しごと 西村創太