今回も「雪国だより」では、雪国ならではの手仕事といえる
カゴとざるをご紹介します。
山葡萄の手提げ。
よく一般で見かけるものとは異なり、幅が揃っていない材料を用いて編まれたものですが、
形のバランスが良く保たれ、作りもしっかりとしており、確かな技術で作られたものです。
縁や取手は特に強度が求められますが、この部分も丁寧に編みこまれていて
毎日の使用に十分耐えるでしょう。
使いこむ程に艶が出て、味わいが深まる物です。
根曲がり竹の「リンゴ手かご」
青森県の岩木山麓で作られる根曲がり竹細工。
深い雪に耐えるしなやかさを持ちます。
この手提げかごは、地元名産のリンゴを採るために使われていた形です。
根曲がり竹のかばんかご
こちらも同じく根曲がり竹ですが、長野の戸隠で作られるものです。
縁には燻した茶色い竹が巻かれ、強度を高めていると同時に
本来の竹の青色とのコントラストが美しい。
根曲がり竹のザル。
長野県の戸隠高原で古くから作られている蕎麦ザルです。
しっかりと編み込まれた熟練の仕事です。
スズ竹の米研ぎざる
寒冷地に生える、細くてしなやかなスズ竹で作られます。
使い勝手の良い米研ぎザル。
くるみで作られた「鉈(なた)入れ」です。
見慣れない形ですが、かつて山などでの作業の際に
鉈を入れて持ち運ぶためのものです。
素朴で野趣あふれる姿に引き込まれます。
素材には沢胡桃の樹皮を用いていて、独特の風情があります。
花器や小物入れとして。
沢胡桃の花器
沢胡桃の樹皮を一枚丸々使った花器。
独特の形で、素材が持つ風合いと相まって、独特の魅力を醸し出します。
上部が口で袋のような形状になっており、内部に小さなビンなどを入れれば
一輪挿しとして利用できます。
雪国ならではの風土から生まれたカゴやザル。
素材そのものの持つ風合い、人の手によってひとつひとつ作り出される形を
是非手に取って感じていただければと思います。