裂き織とは古布を裂いて紐状にし、また機で手織りしたものです。
少し前までの日本。
木綿が育たない寒冷地では特に布が貴重で、ぼろぼろになった木綿をさらに最後の最後まで使い切ったのでした。
経糸には、近辺の材料で作られる麻糸が使われ、くたくたのキレをみっちりと重ね厚みの出た裂き織は、防寒の作業着やこたつ掛けなどに生まれ変わりました。
お母さんが家族のために織った布。
それは、普通の人による大切な人のための切実な暮らしの道具でした。
倉敷本染手織研究所で染織を学ばれ、戻った新潟・長岡で今も機に向かう多香子さん。
「木綿往生」を説いた外村吉之介先生の教えを基にいろいろの織物をする中、
佐渡で本来の裂き織に出会い、それから熱心に取り組まれたそうです。
多香子さんの裂き織には、暮らしの中でいつのまにか芽生えていたもの、
古い裂き織の中に見た、人の営みに宿るなにげない美しさが、
とびとびに表れる布切れの模様のように、散りばめられているのではないか。
現代の暮らしに合わせたものを作っても、それが根本にあるように感じられるのです。
いつもお願いしているテーブルランナーやコースター、ポット敷の他に、
今回はついにバッグをオーダーしました。
◆紺ワンショルダー
32×30×8 (手 59cm タッサーシルク)
◆紫ワンショルダー
32×30×8 (手 50cm)
◆つづれ織り手さげ
36×26×10 (手 31cm 革)
◆えんじショルダー
30×27×7 (手 105cm)
◆ポーチ
22×15cm (経糸-麻)
「雪国だより」は、今週1/26(土)からです。
お楽しみに。