現在開催中の「倉敷の手仕事展」では、倉敷ガラス・小谷栄次さんの仕事をご紹介しています。
(手しごとでは初めてのご紹介です)
倉敷ガラスは、小谷真三さんによって始められた、手吹きガラスのこと。
戦後、クリスマスオーナメントのガラス玉作りをしていた真三さん。
1日に3千個も、それも形を規格通りに揃えるという厳しい仕事だったそうです。
ある日、倉敷民藝館の初代館長である外村吉之介に、
コップの製作を打診されたところから、倉敷ガラスの歴史は始まります。
吹きガラスの製作は、今も昔も複数人の作業が基本です。
一人で製作するのは非常に困難でしたが、試行錯誤の末に技術を確立させました。
息子の栄次さんは、大学卒業後に真三さんに弟子入り。
最初の6〜7年間は、小鉢だけをひたすら作り続けるという
厳しい修行だったそうです。
自分の作品を作って良いという許可をもらえたのは、独立から10年後だったそうです。
栄次さんの小鉢。
繰り返しの仕事で培われた、端正で芯の通った形。
栄次さんのガラスは、父・真三さんとはまた違う魅力を放ちます。
シンプルなコップ。
泡のワイングラス。
泡のワイングラスは、「ちょっと手間がかかるんよ」と言われつつも
お願いして作っていただきました。
徳利とぐい呑み。
外村吉之介の「健康で、無駄がなく、真面目で、いばらない」という言葉を胸に、
暮しに寄り添う器づくりに取り組む栄次さんの仕事。
ぜひ、手に取ってご覧ください。