当店で扱わせていただいてる’倉敷緞通’ですが、民藝愛好家の間で長らく定番として愛されてきた敷物です。
元々倉敷で生産されていた い草を利用した絨毯(緞通)に、民藝の父である柳宗悦が目をとめたのが始まりで、染色家芹沢銈介が表地に縞柄のデザインを施し、’倉敷緞通’と名付けられました。
一度は生産が途絶えたこの倉敷緞通を再興したのが瀧山雄一さんで、芹沢意匠を継承し守り続けていらっしゃいます。
テーブルセンター(大)36cm×73cm ¥7,700(税別)
三鷹カパリスンでの過去の展示会の様子
先日、倉敷にある瀧山さんの工房を訪れました。
どっしりと風格のある玄関です。
製作の工程を少しご紹介します。
1)裏地「ヌキ」製作
い草数本を紙のテープで巻きます。機械は瀧山さんがご自身で製作されています。
この裏地のい草が大きな特徴であり、軽やかで風通しのよい絨緞となります。
日本の気候に合い、もちろん畳との相性は抜群です。
この普遍的なデザインは、和洋を問わず空間をモダンな雰囲気にしてくれるので、和室に敷くのにも適しています。
倉敷では以前い草の生産が盛んに行われ、緞通以外にも’花むしろ’の製造も有名です。
2)表地「リング糸」製作
一番下の段の糸巻きの茶色の糸を芯にして、
下から二段目で、表地になる色糸を巻き付けます。
そこにさらに茶色糸を巻き付けると、
ふわふわのリング糸ができます。
これが絨毯としての柔らかさを生んでいるのです。
表地の糸にはレーヨンに少し麻を混ぜた糸が使われ、このさらりとした肌触りは冬以外も1年中快適にお使いいただけます。
(レーヨンは木質材料を再生した繊維で化繊とは異なります)
リング糸は巻き取られ織機へ。
3)織り
この巨大な機では、幅1間(約180cm)の敷物を織ることができます。
茶色の経糸に対し、リング糸とヌキが緯糸として二重に入ります。
これだけの大きな織物を瀧山さんは1人で軽快にタンタンと織ります。
そのための独自の工夫が随所にみられます。
最後に縁の縫製をして完成します。
倉敷緞通がどういうものかおわかりいただけましたでしょうか。
☆もっと詳しく知りたい方は、倉敷緞通HPをどうぞご覧下さい。
また、近いうちに倉敷緞通展の催しも予定しておりますので、詳細をまた当HPでお知らせします。
お楽しみに!
手しごと 山藤